世界のベストホテル&リゾート:2021年度版ゴールドリスト

新型コロナウイルスの大流行を経て、世界ではさまざまな制限措置が徐々に緩和されつつあり、人々は再び旅に出ようとしています。ホテル業界は激動の時代を経験したと言ってもいいでしょう。今回は2021年のベストホテルのゴールドリストをご紹介しましょう。

グランドホテル・デ・カラ・ロッサ コルシカ島(Grand Hôtel de Cala Rossa)

コルシカ人は大抵、サルデーニャ人と違って不愛想だと思われています。しかし、このホテルのスタッフは例外です。このコルシカ島の東海岸に位置する港町では、1970年後半からカナレリス家がホテル経営を行っています。

中には勤続数十年というスタッフもおり、ビーチフロントにあるヴィラはフレンドリーな雰囲気を醸し出しています。また、ホテルの目の前にはサンベッドやパラソルが置かれたプライベートビーチが広がります。桟橋に泊った漁船からは新鮮な魚介類が運び込まれ、ホテルのシェフの手によって美味しい地中海料理に生まれ変わります。

プーム・バイタン、シェムリアップ・カンボジア(Zannier Hotels Phum Baitang)

プーム・バイタンは、シェムリアップの南西端、世界的に有名なアンコールワット遺跡からわずか25分の場所に、フランス人ホテル経営者のArnaud Zannier氏がオープンしたホテルです。敷地内には、田んぼやトロピカルガーデンを横切るように配置されたファームハウス風のヴィラが45棟あります。

古い木材や天然染め付けのテキスタイルなどを取り入れた、素朴で温もり溢れる雰囲気が魅力です。リゾート内には2つのレストランがあり、いずれも農家や漁師から直接仕入れた新鮮な地元の食材を使用しています。

アンガマ・マラ、ケニア(Angama Mara at Great Rift Valley)

ケニアにあるアンガマ・マラはホテル同様、そのロケーションも印象的です。マサイマラのサバンナから900フィート(約270m)の高さに位置するこのホテルは、アフリカを本格的に再現した映画のセットを思わせます。ちなみに、スワヒリ語でAngama Maraとは「宙に浮いている」という意味があります。

ゲストはキッチンガーデンでランチを楽しんだり、写真スタジオを利用したりできるほか、ビーズ作りを体験できるクラフト教室に参加することも。谷の端に位置するテントには15枚のガラスの窓があり、夜には十分快適に過ごすことができます。

Santa Clara 1728、リスボン・ポルトガル(Santa Clara 1728)

ヨーロッパ大陸に目を移すと、ポルトガルはまだそれほど多くの旅行者に注目されていません。小規模なホテルSanta Clara 1728は、多くの旅行者が好んで宿泊するリベルダーデ大通り沿いに建つ豪奢な建物とは趣がまったく異なります。

6部屋からなるこのホテルは旧文化地区の丘の上に位置し、そこからは観光客ではなくリスボンの地元っ子になったような気分が味わえることでしょう。実際、このローズカラーの建物は、1755年の大地震に耐えた数少ない建築物の1つです。

ロッコ・フォルテ・アストリアホテル、サンクトペテルブルク・ロシア(Hotel Astoria, A Rocco Forte Hotel)

サンクトペテルブルクの聖イサアク広場は街を代表する場所となっていますが、それも象徴的なアストリアホテルがあればこそです。この建物はもともと、ロシア皇帝の高貴な客人の宿泊施設として建てられましたが、現在はさまざまな意味で21世紀型のホテルとなっています。快適な客室からは、隣接する大聖堂が手に届きそうなほどよく見えます。

最高のリゾートやホテルをご紹介する2021年のゴールドリストが今後数か月のうちにより拡大していくことを期待しています。ロックダウンは徐々に、しかし確実に解除されつつあり、ホテル経営者たちの間で観光客を呼び込むための競争が激化していくことが考えられます。